黄昏時 2022-01-07 18:07:37 |
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>>右京さん
「かしこまりました。……そういえば、君はいつもニホンシュを頼むよね。極東の島国の出身なのかい?」
(彼の注文を受け付け、自身の背後にある棚から翡翠色の瓶を取り出す。それを開け、切子細工の施されたグラスに注ぎ、右京の前に置いた。グラスは照明に反射して光を散らし、酒は透き通っているため涼しげですっきりとした雰囲気を感じさせるが、それとは裏腹にコクが深く、稲穂のふくよかな香りと旨みを味わえるだろう。
ふと、いつもこの日本酒を頼む右京に関心を抱き始める。自分の知らない此岸の国の話を引き出せるのではないか。そう思ったのか、右京の顔を覗き込むように頬杖を付き、じっと見つめ始める。左右非対称の瞳は好奇心で目を輝かせ、やや細められた。彼女はそのまま愉しげな声色で尋ね)
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