トラノコ 2022-01-01 18:33:42 |
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ゾロ
「誤解ってどういう…っ…!」
コックの言う誤解というのにいまいちピンとこなかったのだが次の瞬間には抱きしめられ、聞き返す言葉を遮られて顎に添えていた手は自然とコックの首の後ろに回る形となる。そんな密着した状態とより色濃く香るコックの匂いで冷静に考える力が鈍っている時に、おれのよく知るコックにさえ好きは言われているものの愛してるなどと耳元で吹き込まれてしまっては抱きしめられてなければ足から力が抜けていたかもしれない。テメェでもこんな過剰な反応バカげていると思うのに心の底から惚れている男に"本気"を向けられておれの誤解ってやつを思い知らされちゃあ不意のカウンターくらったようなものだろう。
掴んでいた手を離し、もう片方の手も首の後ろに回せば自由になったコックの手が動き出して尻から背まで撫でられただけなのにぞわりと肌が泡立つ。必死に腕に力を込めて縋りつくとコックの鼓動を感じ、少し速いそれに本当におれだけじゃねェんだと知って安堵するのと同時だった。同い年のコックをまだ片手で数えられるくらい受け入れた場所付近を撫でられると声は堪えられたものの思わずビクンッと大きく身体が跳ねて身体が強ばる。未来でもおれはテメェに抱かれてるのかと聞くまでもない的確な動きだ。
暴れる心臓の音と緊張と知らしめられた想いによる気恥しさにくらくらするが、コックの胸に埋めていた真っ赤であろう顔を上げて見上げ
「…おれのほうが、好きだ」
そう翻弄されてばかりだからせめてもの対抗心を燃やして告げ、身体を委ねた
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