トラノコ 2022-01-01 18:33:42 |
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ゾロ
いつもなら言ってやらない言葉を改めて言い返されると羞恥心が刺激されて少しだけ顔を赤らめるも含み笑いを浮かべる年上の男を何が可笑しいと負けじと噛み付くように睨めつける。冗談と思われているのだろうか、それとも年下だからとあしらわれているのだろうか。昔のテメェも今のテメェもおれには何を考えてるのかわからねェ、おれを振り回すのも大概にしろ、おれがこんなにも心乱されるのなんざテメェだけだというのに。
そうやきもきしていたら、ごく自然な動きで尻を撫でられていた。それと同時に確認するような言葉を投げかけられて、その目を見上げたまま言葉の意味を探る。というよりも、コックの反応が予想外だったからそれが不思議だったのだ。というのもこちらの予想としては嫌な顔くらい返ってくるだろう。だったのだがコックの目はそんなもの微塵も感じさせず、逆に優しさを通り越した何かを含んでいる。
『俺でいいのか?』その言葉を胸の内で反芻し、考える。女尊男卑ではあるものの、それでも底無しなくらいお優しい男がおれの気持ちを汲み取って付き合ってやるが、その気持ちを向ける先がコックでいいのか?と問う意味か?わからねェがおれのこの気持ちは生半可なモンじゃねェ。
コックの顎に手を添えたまま、逆の手で尻を撫でる手首を掴むと、次はこちらがこのイタズラな手の意味を問う
「聞かれるまでもなくおれはこの先もテメェだけだぞ。
テメェは?テメェのそらァ…お遊びか?」
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