トラノコ 2022-01-01 18:33:42 |
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ゾロ
指図されるのは癪ではあったがコックの言うことも一理ある。とりあえずの寝床が確保できたのだから島の全容がわからない今、遠くへ行くのは得策ではないと己でも判断すると浜辺に流れ着いていた木材や手頃な木を斬っては小屋に運んで、修理に使えるよう平たく刀で斬りつけて加工してから屋根に登り、蔦で結んで簡易的な修繕を行っていた。一通り終えて「うし、これでいいだろ」と満足そうに修繕箇所を見ながら独りごちると屋根から飛び降りて小屋の中に戻ってみれば一度コックが戻ってきたらしい形跡が見られた。並べられた食料を流し見てゾロは思う。非常事態で腹に何か入れられればそれで十分だろうが満足させるために努力を惜しまない野郎だ。はぁ…とやや大袈裟にため息をつくと「張り切りすぎだ、バカ」と呟いて古びたベッドに寝転んだ
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