着ぐるみパンダさん 2021-12-20 18:26:20 |
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あはっ、君に似た人が2人も3人もいたら溜まったものじゃないよ。
(虚空を眺めていた蒼色は己の気配に気付いたようで忽ち不機嫌さを醸し出す。人違いでは、と間を空けて答えた彼に肩を揺らし笑い店内へと歩き出すその後ろを悪戯笑みを讃えたまま引っ付いていくのは嫌がらせではなく目的地が同じだからだ。
偶然か必然か、この地区に来る度訪れている行き付けの店はアンティークで統一された落ち着いたカフェである。この店でしか味わえないある料理にハマってしまってからは無意識に足を向けてしまうぐらいには気に入っているのだ。)
この店を選ぶとはセンスあるね、僕のイチオシをお勧めしてあげよう。
(彼が踵を返す前に、とその逞しい背中を店内へと押し出しては笑顔で挨拶してくれる店員に“2名で“とピースのサインを向ける。ここまで来れば律儀な男のことだ、席に座ってくれるだろうと店の隅にある定番の席へと腰を落ち着けた。)
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