政府職員 2021-12-18 01:03:44 |
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…………へぇ、そうかい。そんな事聞いてくるのはアンタが初めてだ。気遣いってモンをどっかに置いてきちまってる所もな。アンタ、俺を説得したいのかそうでないのかどっちなんだ?
(返事をするまでに間が空いてしまったのは、少しばかり驚いてしまったからだった。今までの政府の人間達は自分の境遇を気遣う、憐れむ、同情するなどの様子を見せてはいたものの、それ以上踏み込むようなことは決してしなかった。それを奴らの中では『優しさ』と言うのだろうが、『全く興味が無い』あるいは『知っても意味が無い』と思われているのと同じ事だった。まるで自分の主が、仲間達が、いないものとして扱われる。それを許せるはずも無ければ、受け入れることも出来なかった。だから、今までの奴らの話は一度たりとも決して受け入れなかったのだ。それが、目の前の彼女はどうだろう。神経を逆撫でするような笑顔と言葉を扱いながらも、自分では無くこの本丸のことを知ろうとしている。それがたとえただの気まぐれだったのだとしても、自分にとっては敷居を跨がせる資格は充分だった。くるりと彼女に背を向け、本体の柄に添えていた手をひらひらと振って見せて)
まあいいさ、ついてきな。茶をしばく時間くらいは俺にもある。まともなもてなしは期待すんなよ?
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