諜報部員 2021-11-28 21:49:05 |
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( 十二月初頭、空が雑巾のように灰色に汚れていた日の夜のこと。前途洋洋たる三十二歳のイギリス保安局員が、ロンドン・ウェストミンスターにある保安局本部──通称テムズハウス──のどこといった特徴のないガラス張りの個室で、ひとり坐っていた。いかにもイギリス人という彼の面立ちは気高さを感じさせるものだが、唇を噛み、机を指で叩いている様子を見ると、いまや癇癪を起こしかけているのがわかった。__十一月、保安局はウェストミンスターにいる情報源から、外務省内部にスパイが紛れ込んでいる可能性があるとの重要情報を入手。アーネストが次席を務める防諜課を中心に、調査が開始された。彼の一挙手一投足がアーネスト達によって監視され、手紙や小包といった郵便物から光熱費の請求書、家の前にあるゴミ袋まで確認された。その結果、紆余曲折を経て調査も進展し、情報通り彼がスパイであることを突き止めることに成功した。しかしある日、突然彼がまるで亡霊のように姿を晦ましたのだ。そのことに気付いたアーネスト達はすぐさま彼の写真をイギリス全土へ配布。さらに港湾や空港などといったありとあらゆる交通機関が監視された。しかし夜通しの捜索にも関わらず、アーネスト達は彼を一向に発見できず、失踪してから二日が経った。このままでは出世に大きな影響を与えかねない。もし失敗すれば、本部とは遠く離れた田舎へ左遷させられ、単調で退屈な雑務仕事をこなす毎日を過ごすことになる。同僚や部下たちからは半年も経たないうちに忘れ去られ、遠い記憶の中にしか存在しなくなるだろう。そんなことを考えていたとき、部屋の外から部下の声が聞こえてきて。その内容はアーネストが心の底から待ち望んでいた内容。彼がハリッジの港にいるとのことだった。アーネストはハンガーラックにかけてあったグレーのコートを手に取ると、部屋を飛び出し。オフィスの出口へ向かっていた途中、なにか思い出したかのように突然振り向くと、部下達のデスクに向かって嫌味たらしく )
オリヴィア、何をしているんだ。なにか大事な用事でも思い出したのか?ぼさっとしていないで早く来い。
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ご返信遅くなってしまい申し訳ございません!所属組織や二人の関係性について、早速初回文に盛り込ませていただきました。絡みにくい場合やご想像と異なっていた場合は、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。
また展開についてのご相談なのですが、こういった展開はいかがでしょうか。
①ロンドン中央省庁にいる情報源が、外務省内部のスパイの存在を察知。それを受け、防諜課のアーネストとオリヴィア達は調査を開始。
②保安局によって調査されているという旨をシャーロットから警告されたスパイは、彼女の助力を得て保安局の監視をすり抜ける。
③しかし、ハリッジでドイツ行きのフェリーに乗船しようとしているところを発見される。アーネストとオリヴィアが彼を拘束しに港へ急いで向かうものの、逮捕する直前にスパイは車内で拳銃自殺。
④彼の死によって事件は一旦の終わりを迎えるものの、アーネストは疑念を抱き続け、保安局内部にもスパイが潜伏していると確信する。
⑤アーネストとシャーロットの攻防戦へ。
長くなってしまい申し訳ございません…。なにかご不満な点などがございましたら、何なりとご遠慮なく仰ってくださいませ。
また後半部分に関しましてはかなり大雑把なご提案ですので、後々ご一緒に相談して決めていければ…!
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