物書キ見習イノ青葉子 2021-11-22 18:31:02 ID:ad3241738 |
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「さっむ。まったく、何で日本の冬はこんなに寒いんですかね。某熱血テニスプレイヤーとか、10人くらいいたらあったかくなりますかね?」
高層ビル...とまではいかないが結構な高さ。屋上ということもあって、ここは寒い。
これから死ぬというのに、こんなに寒かったら、凍ってしまうぞ。楽に**ないぞ、このやろう。
「ま、死ぬにはいい日ですね。先のばしにして未練たらたらになるよりは、吹っ切れて飛び降りる方が楽でしょう。ねぇ...だれもいないんですけど」
どう頑張っても転落防止になりそうもないフェンスを上って反対側に出る。
見下ろせば遥か下にみえる地面。足を踏み出せば、簡単に僕を肉塊にしてくれるだろうに、
震える。寒さと...恐怖で
「ああ、ちくしょう。なんだってこんなところで怖じ気ついてんですか。もうなにも残すことは無いでしょう。無い、のに...どうしようもないですね、ほんと。生存本能って奴は」
独り言は、感情を整理してくれる。けれども、このどうしようもない「死にたくない」は、どう頑張っても整理してくれない。
イラつく。生にしがみつく自分に。そのせいで、後ろから近づく人影にも、気付かなかった
「...あ、えーと...だいじょぶ?」
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