物書キ見習イノ青葉子 2021-11-22 18:31:02 ID:ad3241738 |
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今思えば、僕の家は世間一般的な幸せには当てはまらないだろう。
元々、両親の仲は最悪だった。僕がいようが、目の前で言い争ってみせた。時には、僕にまで矛先が向かうことも...
でも、そのあとに見せる嘘みたいな優しさが。逃げたいという思いをなくしてしまうほどに暖かかった。もしかしたら、この優しさがホンモノで。あの、こわいおかあさんはおとうさんは、ニセモノなんだって。信じてたかった。
大きくなればなるほど、それは幻想にすぎないんだってわかった。わかってて、隠した。
幸せになれないなら、幸せを演じてみせた。優等生で居て欲しそうだったから、優等生を演じた。親思いで、優等生で、幸せな僕。その僕が、両親の求めるものだった。バイトも初めて、家にほとんど一人だったから、家事もして。成績もしっかりとって。
結局、全て台無しになったのは、いうまでもない。どっちも、新しい恋人と逃げたんだから。お互いにお互いが、僕を引き取ってくれると思って。
信じてたのになんていっても、心のどこかで分かっていたから、恨むに恨めないし。もう、最悪だ。
でも、そんな苦しい思いも、今終わる。
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