Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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( 鍋を持ってキッチンへと立つ相手を見守りながら、こうした細かな事は意外にも彼の方がしっかりしてるなぁ、なんて改めて思う。
そして、此方へと戻ってきたと思えば、毛布を持ち上げて問いかけてくれる相手に「 ありがとう 」と微笑めば、そのまま一緒になって毛布に包まった。)
フフッ、 あそこまで欲望が入り組んでいると、僕には少し対応し兼ねる部分があるからね。
……それにしても恥ずかしいよ、まさかあんなに取り乱してしまうなんて。
( 肩を竦めながら、気にするなと言ってくれた相手に、礼の代わりに眉尻を下げて微笑めば、セットしていた髪をくしゃっとかきあげた。
彼の言う通り、あの場にあった人間の欲望や感情を全て無にしてやり直すことも出来たが、自分はどうも、無理やり人間の感情を操るようで好きではない。人間が自ら善の方へ歩んでいくには多少の欲も必要だ。…とはいえ、実際は対応出来たものもあっただろうに、そこに関しては目を瞑った事にしておこう。
しかし、仕事中の相手にあそこまで感情的になってしまった自分を思い出すと、今更ながら恥ずかしい。結局は、相手も同じように思っていてくれたのだから嬉しかったのには違いないが、何度も思い出しては羞恥のため息をつく。
そうしながら、ふと、ズボンのポケットに違和感を感じれば、先程の貰っていた名刺を取り出して。)
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