とある国のもの 2021-09-26 16:50:35 |
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(一面暗闇で何も無い所をただたださ迷っていた。この精神世界にも痛みや苦しみは作用するようで徐々に歩みがゆっくりになりやがて完全に足が止まりしゃがみ込んでしまう。苦しみ悲しみ痛み色々な負の感情が押し寄せて押しつぶされそうになる。それでもいいと思った。どうせあっちの世界に居ても自分は自分では居られないならいっそ…そう考えた瞬間微かだが何か聞こえた。なんだろうと思い顔を少し上げ耳を澄ませるとその声は徐々に大きくなり、ハッキリとした言葉で己の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。兄様…?自分の名前を呼んでくれるのは1番上の兄しかいなかった為そうかと思ったが声が違う。もっと低くずっと呼ばれたかった声…この声は…正解を導くのと同時に一面闇しか無かった世界がひかりに包まれる。眩しくて思わず目を閉じる。
次に目を開けたらそこは闇の世界ではなく天井が瞳にうつり、帰ってきたのかとまだハッキリとしない意識の中で思った。ゆっくりと視線を動かすと己の手をギュッと握っている相手が映り)
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