観測者 2021-09-18 20:02:12 |
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>ノラ
……それじゃあ、そういうことで。
( 『私の死体を一体どうするつもりだ?』だとか、『もしかしてお前は死体愛好家なのか?』だとか、変なことを言った自覚があっただけにもっと深掘りされるかと思っていた条件は、存外あっさりと了承された。彼女にとっては、自分自身より、この荒廃した星のことの方が気に掛かるらしい。どうするつもりだ、と聞かれたところできっと答えに詰まっただろうから、こちらとしては有り難いけれど。今のところはいざという時の食糧にするくらいしか思い付かない死体の使い道はひとまず置いておいて、彼女が万年筆のようなそれを手に取ったのなら契約の儀式を進める。こちらから条件を出し、それに対する承認も得た。儀式にあたっての事前の説明は省いたが、それによって彼女が損害や被害を被ることは無いだろう。そもそも、この契約において契約者が被害を被ることなど一つもないのだ。あと、必要なのは彼女の名前。普通の出会い方をしなかったために、俺と彼女は一般的に最初に行われる名前の交換すらしていない。出会った時と同じ距離まで近づいたその顔を見上げると、必要最低限の語数で尋ねる )
名前は?
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