観測者 2021-09-18 20:02:12 |
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>ロイ
それで構わない。勿論、双方にメリットがある形にするとも
(緊迫した空気を弛緩させるように軽く口角を上げてみせる。死神から手伝いと言わせただけ上々、少なくとも最悪の事態は免れた。石の表面をなぞるように指で撫でては、棚から試験管を取り出し、慎重に蓋をする。そのまま懐にしまい、改めて侵入者から取引相手に昇格した彼と向き合った。すっかり冷めてしまった紅茶を一気に飲み干せば、苛立ちもマシになる。よく考えれば、この死神の目的すら知らない。教える気がなかったのか、それとも単に自分が先んじただけか。兎も角、目的がわからないのなら対処のしようがないのだ──大方、機械型のことだろうと予想はつくものの。寿命を恐れた人間がたどり着いた、機械型の身体。これにより、貴族の平均寿命は伸びに伸びた。一つ一つ錬金術師が設計を組み替えて作るもので、メンテナンスも担当の錬金術師が定期的に行う。貧困層は決して手が届かない代物であり、同時に、行える錬金術師も限られてくる。対象の体に合わせて構造を考えなければ、四肢が動かないなんて茶飯事で、最悪移ることすら叶わずそのまま朽ち果てることもざら。そも何らかのメリットがあるのなら、手伝うことに反感はない。が、皮肉が出るのは先程の恨みもあるからで)
僕は何をすればいい?まさか死神様が弟子になりたいわけでも、機械の体がほしいわけでもないだろう
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