ノーマル 2021-09-07 06:50:28 |
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(ブラックで大丈夫だと返事を聞き、相手が食事の始めの合図をすれば、それに続いて『いただきます』と両手を合わせて声にする。普段一人で食事する時は言ったことも無かったから、これも新鮮な気持ちだった。何から食べるか迷う事なく、真っ先にふわとろ卵のトーストに手を伸ばす。卵が落ちないように皿の上でそっと持ち上げて、顔を近づけ、大きな一口でかじり付く。トーストに卵のバターの旨味が染み込み、サクサクふわふわの食感がなんとも堪らなく、自然と口角が引き上げられる。シェフの彼に感想を言うことを忘れて、半分以上口にした所で、やっと彼が此方の様子を伺っているのに気づき、頬張ったトーストを飲み込み口の中を空にしてから)
美味い!これなんて言うやつ?ふわとろ卵トースト?これは毎日食べても飽きないな
(知らずに口にした料理名は彼の師匠とネーミングセンスは似ているようで、少し大袈裟だがこれは毎日でも飽きないと絶賛する。一度トーストは置いて、次にハムエッグの黄身をフォークで軽く突いて割ると、注文通りのトロッとした半熟の黄身が流れ出る。「おぉ…!」と歓声を上げ、それを折り畳んで刺せば、たった二口ほどで完食。皿に流れた黄身はレタスときゅうりで拭って食べる。最後に残したトーストもこぼれ落ちた卵も残さず綺麗に完食。急いで食べた訳ではなく、いつの間にか皿が空っぽになってしまったという感覚だった。此方が食べ終われば、「いやぁ…美味かった!こりゃ昼も夜も期待できるな」とコーヒーを一口流し込みながら、改めて素直な感想を述べて)
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