27836 2021-09-01 21:49:39 |
通報 |
(相手が目指してる世界。それを知っているか問われれば、少し身を離し、相手の顔を見上げ。涙の跡が残る頬に気付いてしまい、咄嗟に指先でその跡をなぞり。彼が望む世界がどんなものなのか。エッセル家の方針と、彼の口から何度か聞いたことがあるため把握はしていたつもりだったが。『自由に恋をして、自由に結婚する』という具体的な目標を挙げられて初めて、主の目指している景色が現実的に色付いた気がし。幼い頃に受けた迫害。古くから続くそれは、いつしか"されている側"の異種族たちの心も縛り付けるようになってしまったのかもしれない。実際、自身も「暴力を振るわれなくて、普通に働けたらそれでいい」と、どこかで諦めてはいなかっただろうか。けれど、相手は違う。彼は、迫害され続け疲弊した異種族たちの、心の自由を守りたいと言っていて。上辺だけの"仲良く"ではなく、もっと奥底の…もっと根本的なところから、異種族を救おうとしていて。)
……ッ、
(相手に手を取られ、婚姻の誓いの指輪をはめる仕草をされ、微かに息を飲み。優しいその手つきに、心が震えて。二人で証明しようと提案されてしまえば、抗う術など、アトラリアには残されていなくて。)
あなたって、本当に…
(情けない顔をしてしまったかもしれない。実際、とても情けない気持ちになっていて。自分は、何も分かっていなかったのだ。理解した気になって、勝手に消極的になって、聞き分けがいいフリをして。主が求めていた世界を本当の意味ではなにも分かっていなくて。)
ずるいわ。そうやっていっつも、さらっと私を救っちゃうんだから
(そう言って、今度は自分から身を乗り出し。答えを託すかのように相手に口づけを送り、思う。主の掲げる人異平等の思想。それを唱えるヒトに甘えるのではなく、異種族は自ら声を上げ権利を主張しなくては意味がない。願うだけではなくて、それを現実にしてもいいのだと自分たちもちゃんと自覚をしなければ、何も変わらないのだ。だから、腕を伸ばして。今度こそは躊躇わずに、相手の体に腕を回して、傷に気を付けつつも彼を抱きしめ帰し。)
……喜んで!私を、レイの恋人にしてください。
(溢れ出しそうな歓喜と愛おしさをこめて、花が咲くような笑みを浮かべ、そう答えて。)
(/お気になさらず…!差し替えお疲れ様でした。素敵な告白をありがとうございます…(むせび泣き)
トピック検索 |