27836 2021-09-01 21:49:39 |
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(目が覚めた時に広がった光景はどこまでも、辺り一面真っ白でなにもない世界で。いや、そもそも自分は目が覚めているのだろうか。これまでの記憶をたどっていくと、愛する人を暴漢の手から護り、その後出血で倒れたことを思い出し。だとすれば、ここは死後の世界というものだろうか。「(案外短い人生だったな…。)」と自分の手を眺めながら嘆くようにつぶやくも「(でも、アリアが無事ならそれでいいか。)」と、愛する人を護れたということを誇りに思いながら前を向き。さて、ここからどうするべきなのか。童話のようにお空から天使が迎えに来てくれるのだろうか。それとも、自分は地獄に落とされるのだろうか。ひとまずはどこかへ歩いてみるかと立ち上がり、いく当てもなく歩を進めようとするとどこからか、悲しむような声が聞こえてきて。)
『私が…かりし……ら、こ……とにな…ったの…。』
『…がい……ったら…、どう…いか分…ないよ。』
(遠くから聞こえる悲しむような声は聞き覚えのあるものだ。そう、毎朝自分をおこしに来てくれて、毎朝自分の身だしなみを整えてくれて、アフタヌーンティにはよくシフォンケーキを焼いてくれる、愛する人の声。)
『レイ……めに生…るって、』
『許され…なら、一生側にい…て思って…だよ。結婚だって…本当は、して欲しくな…のに。』
(その声の響くほうへ歩いてみると徐々にその悲しむような声が鮮明に聞こえてきて。しかしその言葉はまるで告白する前のような言葉で、そして次に続いた言葉に唖然としてしまって。)
『ちゃんと好きだって言えばよかった。』
(なんということだ。自分と相手は両想いだったのか。死の淵で聞こえたその言葉に胸が温まる心地になると同時に、自分もこの気持ちを伝えなければ。そして、その悲しむ声を止めてもらわなければと決心すると、その声のするほうへ駆けていき。そして辺りがだんだんと強い光に包まれていき。)
…
(意識が現実へと戻ってくる。ナイフを防いだ手と背中が若干痛むが騒ぐほどでもない。しかし、まずはするべきことをせねばと頭の中ではっきりと意識し。こちらの後を追うなどと悲しむような声で物騒なことを言いながら布団をかけなおそうとするその手をナイフを掴んだ手とは逆の手で包みこみ「じゃあ…まだアリアも生きていないとな。」と、掠れた声でそう述べて。そうして、その手をそのまま相手の頬へとやり、涙の跡を拭うように撫でれば)
泣くな、ばか。
(/スキップ、そして素敵なシーンをありがとうございます!曇ったアトラリア様も素敵で(殴
そうですね、ひとまず聞こえていることにしてきましたので、また改めて告白しあうという流れでよろしいでしょうか?)
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