27836 2021-09-01 21:49:39 |
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(相手の腕を締め付けてしまったことは、お咎めがないどころか逆に宥められてしまっていて。思えば、ヒトと異なる性質のせいで失敗をしてしまったとき、この屋敷の人々はアトラリアを責めたことがない。エッセルの血がそうさせるのか、いや。相手がそれだけ慈悲深い人格者なのだと、彼が更に肉体を鍛える決意を固めていることも知らずに、改めて主の魅力に心を掴まれていた。おかげで冷静さを取り戻し、縁談を断る理由について質問できたのだが。相手は思っていたよりも真剣に答えを悩みはじめてしまって、天を仰いだ際に晒された喉仏が男らしい…などと見惚れていたら、帰ってきた答えは曖昧ながらも不穏な気配を漂わせていて。不埒な期待をしてしまったことを恥じ、こちらも真面目な顔で相手の提案に頷く。レイ様の嫌な予感はよく当たる、と相手の才覚を真っ先に見抜いた老師であれば、正しく導いてくれるに違いない。自身も主の手助けになりたい、と口を開きかけたところで、慈悲深いはずの相手に手紙を覗き見してしまったことを糾弾されてしまい。)
えっ、そこを根に持つの?あ。
(つい素直に失言してしまい、慌てて口元を手で塞いだが、吐いてしまった言葉は戻せず。効果は期待できないと知りながらも、気を取り直して同情を乞うために目を潤ませ、上目遣いで殊勝な態度で相手に問いかけ。)
ぺ、ペナルティーはなんでしょうか…レイ様…。
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