27836 2021-09-01 21:49:39 |
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(あたりに漂うラベンダーの香りで二人の間に流れる空気は穏やかなものになっていく。これまで相手に対して遠征の度に土産は用意していたのだが、今まではこういった小洒落たものを買ってきたことはない。だからこそ不安半分、期待半分といった心持ちで相手の反応を黙って待っていれば呟かれた言葉にほっと胸をなでおろして。なぜ今回に限ってこの小洒落たものを土産に選んだのか。それは先ほどの姿絵に写っていた令嬢に勧められたからである。遠征先の国は様々な花の栽培が盛んであり、それらの加工品が特産物となっていた。二人で街を視察している時に数々の特産物を紹介され、『この香油は私も使っている。』と言われれば貴族御用達のものなら間違いはないだろう、それに軟膏ともなれば水仕事で手が荒れている相手にピッタリだろうということで選んだ次第で。どうやら相手も香油を気に入ってくれたみたいで、これにて一件落着と完全に気を緩めていれば、不意にこちらの膝に手をついて距離を縮めてくる相手に何だろうと首をかしげていれば直後の爆弾発言に心臓を鷲掴みされた気分になり、息を「ひゅっ」と飲み込んで。まさか、先ほどの手紙を見られていたのか。だとしてもこの香油がなぜ姿絵の令嬢に勧められたものだと分かったのか。)
なっ、なんのことだ?
(とパニックになりながらも往生際悪くこの場をなんとかしのごうとする声は先ほどより上ずっており、背中から冷や汗が噴き出し始めて。)
(/攻めアトラリア様ありがとうございます!
おほめのお言葉ありがとうございます…!それではこれ以上何もなければそろそろ背後の方は隠れておきますので、なにかありましたら何なりとお申し付けください!)
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