27836 2021-09-01 21:49:39 |
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うわっ…!
(書簡の封筒に手紙と一緒に挟まれていたのは高貴さを身にまとう女性の写し絵。遠征先の国で食と住の面倒を見てもらっていた屋敷の令嬢だ。写し絵からでもその美しさがにじみ出ており、この女性から求婚などされれば世の男性なら二つ返事でYESを出すだろう。自分にとっても、これからの異種族解放運動の進展につながるかもしれない。そうやって、自分のためではなく世の中のために結婚するという自己犠牲にも似た感情を渦巻かせながらその手紙と睨み合いをしていると、顔のすぐ横には従者がいて。相手が近づくことすら気付かないほど縁談について悩んでいたのか、あまりの近さに思わず声を上げれば「い、いやっ…ただの食事の誘いの手紙だよ…。」と、縁談の話などを相手に知られても別に問題はないのだろうが、その相手に自分は想いを秘めており、この縁談のことが相手に知られればこの思いは遂げられない。もしかしたらこの関係でさえ破綻してしまうかもしれないと思ったからで相手に手紙の内容を見られないように隠しながら明らかに上ずった声でそう言って。これ以上そのことについて言及されないように、「そうだ、アリアにお土産。あるんだった。」と話題を切り替えながらソファから立ち上がり、荷物のバッグの中から何か綺麗な色の液体が入った小瓶を取り出し。)
はい、いつもありがとう。
(/嫉妬するアトラリア様ありがとうございます…!)
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