27836 2021-09-01 21:49:39 |
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(紅茶が程よく抽出され、芳醇な香りが鼻腔をくすぐりだした頃、部屋の扉が開かれる音で相手が戻ってきたことに気付いて。おかえり、と言いかけたところで相手の姿が目に入ると、まるで言葉が喉の奥で絡まり、団子状態になったように咽てしまいそうになり、全身の筋肉が硬直し。予想していた通り、湯上りの主の毛先から妙にキラキラしい雫が滴っているが、それらは彼の首にかけられたタオルに吸い込まれているため、まだいい。問題はその下で、逞しく引き締まった、色気たっぷりの上半身が惜しげもなく晒されているのがアトラリアが動けずにいる理由で。相手は恐らく無自覚なのだろうが、彼はとても、そう、とっても魅力的な男性で、その裸体は普通のご令嬢が目にしたら昏倒してしまう程の破壊力がある。慣れているアトラリアでさえ、顔を紅潮させ、目のやり場に困るのに視線が釘付けにされてしまっていて。しかし、自身の専用メイドに思考の大渋滞をもたらした当のご本人様は、紅茶の香りを楽しんで食事の量に対する疑問を述べるばかり。相手が小さく首をかしげる姿はあまりにも無垢で、つい、目尻を吊り上げて荒々しい声で返事をしてしまって。)
食べッ!てないけど!これは料理長がなんか勘違いして、じゃなくて!髪っ!!服ッッ!!!
(用意していたタオルをひっつかみ、足に力を籠め。そのまま勢いよく相手に向かって跳躍し、端正な相手の顔にタオルをかぶせようとし。)
(/了解しました!ではそのように返させていただきます。加筆された一文、素敵な描写でした…!)
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