とある紙片 2021-08-06 01:52:10 ID:51ffa25f0 |
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【ミア ある獣人の国・国境付近】
ヴォルグの返答に驚き、昔馴染みだった彼をどう見ればいいか一瞬迷う。だがヴォルグの怒りを受けた言葉を受けて威圧され怯みながらも強い口調で言い返す。
「分かってるさ!みんなを裏切ることも!けど、それでもオレの夢もここで諦める訳にはいかねえんだ!」
ミアも怒って獣が威嚇するように前傾姿勢となり牙を剥き出しにする。
「良いだろうヴォルグ!やっぱり話し合いより決闘の方が早く済む!かかってこい!」
風呂敷を放り投げて戦いの邪魔にならないようにしてからヴォルグとほとんど同じ白兵戦の構えをとってギラギラとした輝きを放つ眼を対峙する者に突き刺す。月は雲に隠れ始め夜本来の暗さを取り戻す。お互いの獣の眼光だけが浮かび上がり暫くの静寂が訪れる。
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