☆ 2021-07-01 18:33:10 |
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( 最早その機会は無いかもしれないと諦めていたハルカとのバトル、遠い地で積み重ねた3年間分の経験値のぶつけ合いに、胸が弾まない訳がない。新設されて間もなく、それでいてしっかりと使い込まれた形跡も残されたフィールドを歩きながら、途中爪先でその表面をトントンと蹴って状態を確かめておく。センターサークルを挟んで対面すれば、バトル前特有の心地よい緊張感と高揚感に満たされて、ゆるやかに脈拍数を上げる心臓を宥めるように胸に拳をトンッと当てる。それから真っ直ぐにハルカと視線を交わした時、サアッと強い風が吹いてフィールド周りの芝生が一斉に揺れ、往来を行く人々の声が遠のく感覚がした。先行して繰り出されたのは、予想通り彼女の一番の相棒であるバシャーモ。ハルカと共にカロスを旅してきた彼女は間違いなく昔よりも成長していて、逞しさに加え凛とした雰囲気をも感じさせる。──さて続いてこちらの番と、ベルトのホルダーから迷わず選びとったそのボールは、早く外へ出してくれと言わんばかりに内側からカタカタと揺れ、どうやら先に出されたバシャーモの気配を感じ取っているらしい。そのやる気に応えるようにギュッと強くボールを握ってから、振りかぶって勢いをつけ前へ投げ出し )
──行ってこい、ジュカイン!
( ハルカにとってのバシャーモ同様、最初のパートナーであり今でも一番の相棒である、みつりんポケモンのジュカイン。1対1のバトルと聞いた時から、この舞台に相応しいのは彼しかいないと決めていた。高い位置でボールから飛び出たジュカインは地面へ軽やかな着地を決めると、両腕を広げて気合いの籠った一鳴きの後、対面するバシャーモを鋭い眼光で見据えている。それから肩越しにチラリとこちらを振り向いた彼と一度アイコンタクトを取ってから、目線をもう一度対面の彼女へと向け、片手を上げて合図を送り )
こっちはいつでも良いぜ!
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