着ぐるみオニ 2021-06-29 23:17:13 |
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[ 鬼月 虎太郎 ]
ん~、今日はこのまま帰る!壊れたバイク店に持ってかねえと…。
(悪友が自分を呼ぶ声で授業が終わったことを悟り机に突っ伏していた顔をあげ。帰る支度を済ませ教室を出て下駄箱に向かう道中、この後どうするか訊ねられるが今日は用事がある為、寄り道はパス。他愛もない会話を続けながら昇降口まで来たところで不意に誰とも分からぬ声に呼び止められ、気紛れに振り返ってみると男子のグループがおり。隣にいた悪友は『じゃあな』と我関せずといった様子で帰ってしまうがどの道、校門で別れるので気にせず。声を掛けてきた男子は、仲間の一人を指差し全然角が出ない事を語った上で怪しいよね?と同意を求めてくる。が、問いに被せるように、)
──お前、誰?
(たった一言、寝起きで苛々してるのにつまらない話を振ってきた彼を無表情で見上げて。話を遮られたのがショックだったのか、同級生に認知されてないのがショックだったのか。はたまた別の理由か…顔を強張らせ沈黙する男子生徒。鬼月の放った一言により下駄箱は放課後特有の騒めきとはまた違う騒めきに包まれており、)
[ 桃風 優太 ]
(部活には所属してない為ボロが出ないうちに早く帰ろうとHRが終わって間もなく、逃げるように教室から飛び出し。自分から始めた事とはいえ本当の自分を曝け出せないのはやはり疲れる。今日も何事もなく1日を終えられて張っていた緊張の糸が切れるみたいに、腹の底から深々と溜め息を吐き出しながら人っ子一人居ない廊下をトボトボと歩いていて。帰ったら何しよう、なんて思った直後、通り掛かった空き教室から人の声が聞こえ肩が跳ねる。思わず扉の前で足を止めそっと部屋の様子を伺い。中にいるのはオニのようで名前は確か「…七瀬君だ。」と小さく呟き、)
うわ、凄い怒ってる…怖っ
(頭の上で存在感を放つオニの象徴。片方だけ短い所が幼馴染を彷彿とさせるが、ツノよりも普段と打って変わって過激な言葉を吐き出す彼の方が衝撃的でキャラを作るのを忘れて見入ってしまう。触らぬ神に祟りなし、これは見なかったことにした方が良いだろうと直感で判断し気配を殺してゆっくり、後退する。すぐ後ろにゴミ箱があるなんてこと露知らずに、)
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