海辺のポスト 2021-05-24 23:36:07 |
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オレを庇って、仲間が死んでゆく。
アイツが死に際に放った「よかった」の一言が、
オレを更に追い詰めた。
国を変えるには仕方ない犠牲だ。
最初から覚悟していたことだ。
言い聞かせても止まない心音。
爆発音、粉塵、断末魔。
オレは何のためにこんなことしてたんだったか。
この先に何があるんだったか。
仲間を身代わりにしてまで戦う意味が、
命より重い何かがあっただろうか。
「アンタが俺たちの希望だ」
「アンタだけは生きてくれ」
屍の上に立ち、毅然と振る舞う。
オレが勝たなきゃ全部終わりだ。
分かっていても、揺らぐ足元。
反旗も、心も、もう折れそうだ。
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