ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>由美
は?…そんな事で、
(背中を小気味良く叩くとボロボロと泣いてしまう相手の涙と溢れる言葉は止めどなく、“一緒に夜の散歩に行きたかった”のだとそんな小さな事でと聞き返しながら間の抜けた声を出し。身請けの件に関しては、あの苦界にいた相手の境遇は己に原因があるから受けたのだと言い掛けるが、自分の中で恐らくそれだけで無い気持ちがある事には自覚していて。泣き腫らした目元の菫色に見上げられてから胸元に埋まる頭を目にし、再び深い溜め息をすると己の額を相手の頭頂へ落としてはこつんと若干頭突きを喰らわせるような形で止まり)
…言えば時間ぐらい作る、だからもうこんな無茶をするな。
そんな事で馬鹿げてる…、どう考えたって割に合わないだろう、お前が。
(此方と一緒に居たい、ただそれだけの為の行動が割に合わなさ過ぎるだろうと目を閉じ。正直、本当にそこまで優しくしているつもりも無ければ、まだ此処へ来て間も無い相手を少し気に掛けていただけで。何故ここまで慕ってくれるのかは己が一番不可思議であり。あの日、吉原で相手の妹分が政府の者達に殺害され、敵討ちだと命を擲ってまで相手から強さを買われては此方に啖呵を切ってきた度胸を認めた形であった。此方が死に瀕した時は相手の命を糧にする約束から、運命共同体といえばそうなのかもしれない。ただ死ぬ時は一緒だと言うような、決してそんな綺麗事などでは無い。相手の頭皮の髪に花のような香へと目を開けて顔を上げ、眉を下げつつ顰め面をしながら片手で相手の鼻筋をきゅっと摘まみ。涙で濡れている菫色の目を叱り付けるよう見つめ)
晩に話なら聞く、お前はもう二度とこんな無謀な事はしないと誓え、…分かったか、
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