どこかの兄弟 2021-04-20 18:36:39 |
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>139/バル
(言葉通り誰かに頼んで取り寄せるのだろうか、或いは再び魔法を使うのだろうか。詳しくは分からないが、ひとまず教材は彼が用意してくれるらしい。「何から何まで親切にありがとう」と、もはや彼が何か一言口にする度に頭に浮かぶ感謝の言葉を、飽きる事なく丁寧に伝える。こちらの質問への回答を渋る様子には、自分が同じ事を尋ねられても好物が多すぎて決めかねてしまうため、彼も同じ類の人間なのかと勝手に共感しながら返答を待ち。「パンが好きなの?私も大好き、私たち気が合うのかも!」好き嫌いのない自分は返答の内容に拘わらず同じ反応をしただろうが、まるで運命的な出来事を目の当たりにしたかのように好物の一致を喜んで「それじゃあ今日の夕食も決定!」とご満悦の表情を。ケーキを両方譲ろうとする彼には思わず焦った様子で、首をぶんぶんと勢いよく横に振り「ううん!そんなの申し訳ないわ!それに私はバルと一緒に美味しい物が食べたいの」空腹を満たすことよりも彼と仲良くなることの方が自分にとっては重要な目的のように感じ、"一緒に"を強調しながら説得する。それに両方とも自分が独占してしまっては彼が手持ち無沙汰だ。きっと上品に紅茶を飲みながら、それとは対照的に我が物顔でケーキを頬張る己のはしたない姿を見守るしかなくなるだろう。それだけは阻止せねばと、フォークを一本手に取り半ば強引に彼の手に握らせる。続けてより近い位置にあったチョコレートケーキの皿をそっと自身へ寄せて「私は早速こっちを頂くね、後でそっちも貰っていい?」彼には先程好きだと言ったショートケーキをまず食べるよう促して)
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