花とスカート【 女子高 / 青春 / GL 】

> 鳳 愛唯花ちゃん

（委員決めの話し合いが中々終わらず、HRが長引いた。これだから新学期は面倒だ。委員なんて誰でもいいのに。
はあ、とため息をつきながらも 終わるや否や足早に昇降口へ向かう。バイト先へ急がなければ。毎月、新作メニューの出る日は戦場なのだから。
……と、昇降口へ向かう最中、よろよろと危なっかしい足取りで歩いている生徒の後ろ姿が見えた。どうやら本を抱えているらしい。さらさらと艶のある黒髪が左右に揺れて、つい目で追ってしまう。めんどうだけど……。放ってはおけないか。いつもなら放っておくのに、何故だかその姿に無性に庇護欲がわいて彼女に声をかける。）

「大丈夫？それ、持つよ。」

（私より幾分か小さい位置にある顔を覗き込んで、話しかけた瞬間。目があう。
…あ、この子、かわいい。ぱっちりとしたきらきらの目に私が映っていて、思わずじっと見つめてしまった。漫画みたいな美少女っているんだなとか、赤いリボンだから一年生だとか、そんなことを考えながら。）