さすらいの旅人さん 2021-02-27 21:41:52 |
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>14 京 隠先生
( 愛らしい、なんて親にも言われた経験が無い為か少しだけぎこちなく目線を動かしたのも束の間。此処が人前であることを思い出せば、「やめてください、人前ですよ」なんて拾われた分際で少々厳しめのことを言うものの。彼女の表情からは"嬉しくない"という感情はあまり感じられず、それよりも彼女の内側に生まれたのは一つの感情と、一つの疑問で。嬉しさや恥ずかしさと言った感情が一つ、疑問と言うのは__会ったばかりの相手にそんな風に言える、ということは、手慣れている、ということなのだろうか?幾ら考えても答えには辿り着けない、相手が自分のことをよく知らないように、自分も相手のことをよく知らないのだから。これから互いに知っていけるのだろうか、そもそもそんなに長い時間を過ごせるのだろうか、何方にせよ拾われたならばその恩を返すまでの話。基本的には自分は何でも出来る方だし、周りの雑用くらいなら済ませられるであろう。少なくとも__父親のところに居るよりは、ましな生活が出来る筈だ。そんなことを考えていれば、ぽんぽん、と頭を撫でられて少し驚いたような顔をして。)
「ちょ、っと…びっくりした、」
( その焦茶色の丸めを大きくして、明らかに驚きを見せる彼女。けれどもその口角は少し上がっていて、「ふふ、」と笑ってしまう。頭を撫でられたのも何時ぶりか分からない。何方かと言えば歳下や同期に向かって撫でる、と言う側の方が多かった気がする。この人は自分を子供扱いしているのだろうか、歳は幾つ離れているのだろう、そんな風に考えつつまた彼の方から紡がれたのは"小鳥"という言葉。あと一文字、それだけ変えれば自らの名前になるのに。若干不思議に感じつつも彼女は慣れないドレスで彼の隣で歩みを進めながら紡いで。)
「私もう18ですよ、子供じゃないんですから」
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