さすらいの旅人さん 2021-02-27 21:41:52 |
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>12 / 京 隠先生
( 可愛らしい良い名だと褒められて悪い気になる人間なんてきっと居ないだろう。母親が付けた此の名前は自分でも気に入っている、ただその母親はもう__居ないのだけれど。それについて今更どうこう悩んだりすることはないし、今までも父親の件でそんなことを考える余裕すらなかった。側から見れば前向きに見えるのだろうな、とぼんやり考えつつ彼の名前を聞いて正直に感想を述べて。)
「へぇ、京 隠さん…、かっこいい名前なんですね」
( 字や響きも相まってか"かっこいい"なんて言えば、彼はあっさりと仮面を取ってしまっていて。自分も豪邸の扉の前に居た人間に半ば半強制的に付けられた仮面を取る、はっきりと見えた彼の表情は彼の雰囲気と似たような柔らかいもので。やっぱりハナカイドウかな、なんて確信してしまえば若干乱れた自らの髪を直して。未だに身に纏うドレスは着慣れていないからなのか、それとも中に自分が元々着ていた服を着ているからか動き辛く、早く脱いでしまいたいと考えていて。…それにしても、やはり男性と言葉を交わすと如何しても父親と比較してしまうが、彼は比較にするのも烏滸がましい程に容姿端麗だ、おまけにスーツだからか何処か洋の雰囲気も感じられる。失礼にならないように、と気を引き締め直して「んん、」と少し考えた後に。)
「じゃあ、京さん。…お家、此処から近いんですか?」
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