匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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(彼の返答に満足そうに微笑を零してコクリと頷けば、やはり怪我をしたと聞いて動揺させてしまったのだろうと脳内で完結させて。晩御飯の支度も途中であることを考えると使ったハンカチをその場で返しても良いだろうかと「じゃあ、お任せしちゃおうかな」口元を微笑で和らがせて返答をし。他人に甘えない性格の自分が珍しく人に頼めるのは、この同居生活で少なからず心根では彼を頼りにしていたためだろう。そして「良かった。後少しで出来ますからもう少し待ってて下さいね」と空腹だと告げた彼に穏やかな返答を。しかし物理的に距離が近付き、ふいに手を掴まれれば彼を見上げるその茶色の瞳は驚きを含んで目を丸くさせており。「上月さん……?」様子を窺うように小首を傾げ、相手の反応を心配そうに見つめて。切り傷のある左手は蛇口の下に、ハンカチはカウンターに置かれた状態。その間にも指先の血液は徐々に密度を増して深みのある赤に色を変え、ぷっくりと膨れ上がればそのまま雫となってつっと指の腹に滴り)
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