匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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ふふ、嬉しいです。……でも貴方はその、歩いてて目を惹くくらいに格好いいし優しいから。貴方と会えて〝幸運〟だと思うのはきっとわたし以外にもいると思います。
(幸運、という彼の言葉に思わず頬が緩んでしまい、嬉しそうな顔をしていることが自分でも分かって慌てて口元をきゅっと引き結んで。しかしこうして彼の魅力に触れていると、きっと他の人が放っておかないだろうと容易に想像が出来て。台拭きで調理台を拭き顔を伏せることで、口元に浮かべた寂しそうな笑みを隠して会話を続け。再び褒め言葉が耳に飛び混んでくると、赤くなった頬がさらに熱くなって顔が火照ってきて「あ、あなたは以外といじわるなところもあるの、……ん、あるんですね……?」顔を俯かせて自分の頬に両手を当て。先程台拭きを水で絞ったためか、手のひらはまだひんやりとしていて心地良く、少し冷静になれば気を取り直して視線を上げ。「そうですよ、少しは女性の心臓のことも考えていただかないと。今わたしの心臓が破裂したらどうしてくれるんです?」見知らぬお婆さんに加勢をし、まだ少し熱の昇った顔のまま瞳を細めてジト目で彼を見て。同時に気をもたせる言い方をするのは自分にだけでないのだということも気付いており、しかしそれはお互い様なような気もしていた。彼に興味を注られていたことも確かだが、秘密のある相手に少し踏み込み過ぎただろうかと「ごめんなさい、貴方といると楽しくてつい……。貴方を困らせる気はありません」と前屈みになっていた身体を引いて控えめに微笑を浮かべ、しかし少し視線を逸らして「でも」と続ければ「――お名前も、だめですか……?」様子を窺うようにそっと目線を上げて、彼の黒い瞳と目を合わせようとして)
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