匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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良かった。……でもほんの数分でベランダから姿を消すなんて。
(天狗らしき男の姿がないと分かると緊張の糸が解けたように肩の力が抜ける一方、俄には信じられず戸惑いの視線は再び暗い窓の外へ。あまりにも至近距離で異様な気配を纏った者と対面してしまったため、気のせいだろうと思うことは出来ず。ベランダに出れば黒い羽が落ちている可能性はあるだろう。そうしてカーテンが引かれてもじっと見つめ続けてしまっていたが、ふと落とされた言葉には小さな微笑みを零して。これまで幾つも彼の奇妙さに触れることがあったにも関わらず、こういった丁寧な気遣いに嬉しく思うのはどうしても彼が悪い人には見えず、疑いの中にも信じたいと思う自分がいて。「ありがとうございます。じゃあお布団だけ。お部屋を変えるかどうかは様子を見させて下さい」自分と対面した瞬間の、天狗の驚愕の表情を思い出すに自分を狙って来たようには感じず単に気紛れなように思えて。ひとまず押入れを開けると、一番上に乗せられた布団と枕を両手で持って一階へと降りて行くだろう)
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