匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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大変、というより……。
(調理中のことを思い返すと目線は自然と下がり沈黙してしまい。考えれば考える程、コンロや調理台が綺麗だったり、未開封の物が多かったり、余計な物が一切なかったり。そうした違和感は彼が今までどんな食生活を送っていたのかを曖昧にさせる。引き出しを開けて見つけたゴム手袋は一番上にあり、最近キッチンの掃除をしたのだろうと敢えて思考を止めたが、考え出すと言葉を詰まらせ「い、いえっ、綺麗に整頓されていたので見つけやすかったです」ぱっと目線を上げて何とか顔に作れたのは苦し紛れの笑み。すっと視線を料理に向け、静かに息を吸って吐いてから両手を合わせ「いただきます」と彼に続いて食事の挨拶を。緊張と不安が綯い交ぜになる中、御箸を取ってお味噌汁を口に運びながらもカフェの時とは違って彼の様子を見れずにいて。そっと顔を上げたのは " 美味しい " という呟きが聞こえたからで「ほんと……っ?」と嬉しそうに見つめて。料理上手であろう人に手料理を振る舞うのはそこそこ勇気がいるらしく、しかしそう褒めてもらえたことに口元の笑みは隠せずにいて)
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