○ 花札 2021-02-10 22:57:13 |
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赤葦 京治
大丈夫ですよ。落ち着きましたか? ( 自分がステージに上がってから何のリアクションもないことに気がついた部員達が、数名様子を見にくる。恐る恐る後ろから覗く者が殆どだが、うちの部長はそんなことはないらしい。自分の隣に座り込み泣いている彼女を不思議そうに見つめていた、ただ、言葉を発することはなく俺に任せているようでもあった。深々と頭を下げて謝罪する彼女へ、まずは状態を確認するような声がけを。辺りを見回しているところを見れば、落ち着いてはいないが泣き止んだのだろう。その次の瞬間、耳に入ってきた言葉に少し驚くと、隣から大きな笑い声が上がった。 「 イケメンだってさ!俺のことか! 」 などとはしゃいで他の部員の元へ主将は駆け出していく。深いため息を吐きながら、「 すみません。 」と断りを入れてから疑問を投げ ) あの、何で俺の名前を知っているんですか?
鳴瀬 理央
何か、ちょっと違う。 ( 自分の呟きに彼は笑顔で応えてくれる。確かに自分の大好きな黒尾鉄朗なのだろう、が、不意にそれは言葉として出てしまう。自分の知っている黒尾よりもいくつか年齢が上に見える、それだけではない。高校生な筈が彼はスーツを着ているではないか。どういうことなのか、この際漫画の中の登場人物が目の前にいることはどうでもいい。私が知りたいのは、彼が自分の知っている彼とは違うところ。脳内で語りに語りながら僅か0.5秒程度、次の時には目の前に顔面国宝が。そして、よく見る胡散臭い笑顔で手を差し出してくる。「 あ、はい。 」私は何も考えずに彼の手に自分の手を重ねて身軽に立ち上がり ) ありがとうございます。 それで、ここはどこなんでしょうか。
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