一見さん 2021-02-07 07:28:49 |
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…そうかしら。
(首を傾げながらカップを受け取り、同じように洗い終わると肘掛け椅子に戻ってまたドレスの裾を押さえたまま飛び乗るようにして座ると「…ま、確かに退屈ではないわね。」と言葉を返し)
そうとも。妖怪や魑魅魍魎は目に見えないが確実に存在している…そう信じている馬鹿なのさ、私は。
(言葉を切ると同時に優しげに細められた瞳に鋭い光が宿り、音もなく広げた扇子で口許を覆うと滔々と執筆予定の妖怪についてまるで何かに取り憑かれたかのような早口で語り始め、隣に座る阿笠がまた夏原の妖怪談義が始まった、と言わんばかりの目線とため息を吐く。「…ああ、そういえば樵麓くん。君は『鵺』という妖怪を知っているかね?鳴き声を聞いた者に厄災や不治の病をもたらすと言われる獣の姿をした妖怪なのだが。私は…」「……夏原。それくらいにしておけば?家頭が困ってるわよ。」散々喋った後にまだお喋りを続けようとする彼を阿笠が窘め、気が付いたように咳き込むと「…おや、すまないね。私としたことが…つい興奮してしまったようだ。」と苦笑し)
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