櫛乃 2021-01-05 17:54:27 |
通報 |
【 世界観 】
( 舞台は、大海原に浮かぶ広大な大陸、中華と和風を綯いまぜたような旧めかしい古都でございます。不夜の歓楽境として人々に親しまれ、常に提灯のともしびで溢れかえるそこでは、併し同時に〝 鬼 〟と呼ばれる人ならざりし者共の存在も密かに囁かれておりました。彼らはヒトの臓腑を喰らい、その血を蜜として好むとされていた為に古来より忌まれ、そしてその存在を隠蔽されてきたのです。対して、貴方様は ただのヒト。とある村の隅に貧しく暮らす、心優しい農人です。けれど それは見た目のみの噺。なにを隠そう、貴方様は〝 鬼 〟の意識を酩酊させることが出来るほどの極上の血 ....所謂「 稀血 」を生まれながらにしてその身に宿す、極めて稀少な体質の主であったのですから。
__さて 。夜も更けて参りまして、この続きは 後の頁にでも書き綴ると致しましょう。 )
【 物語 】
それは盂蘭盆( うらぼんえ )も近づき、慌ただしくなってまいりました、ある夏の日のことです。帰路に着いた貴方は、道中にひとりの青年が倒れているのを見つけ、急いで介抱してやります。餓えにやられてしまったのでしょうか、質素ながらも暖かな食事と囲炉裏の灯をくれてやると青年は生気を取り戻し、自身の身の上を語りました。
曰く、父と喧嘩をして追い出されてしまった、長いこと彷徨ったのだが 行き場がなく路頭に迷っていた、と。
見るに彼の纏っている真紅の箭袖は極上のもので、本人の語彙も非凡であった為に どこかの貴族の御令息が戯びに来たのであろうと想像させました。しかし、そんな箱入りの貴族公子が家出したとなれば、道中 さぞかし辛酸を舐めたに違いない────青年の心緒を慮り、優しい貴方は ひとつの提案を零します。
〝 近い中元節には 鬼達も現れやすい、拠点が見つかるまで 此の家に身を置いてはどうか 〟と。
> 斯くして、貴方と青年 ... そして 貪婪な〝 鬼 〟達の紡ぐ、世にも奇妙な御伽噺が 幕を開けたのです。
トピック検索 |