真夜中のピエロさん 2020-12-28 18:46:19 |
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>「セブンス」様
…ッ!
(相手は戦車に乗っている上、自分の狙撃位置もわからない。という事は避ける事はほぼ不可能に近い。’通常の人間’ならば。よく狙って狙撃したその瞬間、一瞬であったはずなのに、何を感じ取ったのか彼女の頭は左に動いた。一瞬赤いものが見えたから、きっと何処かしらに怪我を負わせはしたのだろうが。そんな事を悠長に思っている暇はない。狙撃が失敗した、という事は、だ。直ぐに目の集中をやめて隣のビルに飛び移ろうと思ったが、少し遅い。相手の砲弾はすぐそこで、ほぼ爆風と一緒に隣のビルの屋上に’吹き飛ばされた’という表現の方が正しいだろう。ある程度受け身は取ったものの、床に打ち付けた肩が痛い。とりあえず高いビル真っ逆さまに落ちて瓦礫に埋もれて圧迫死、という結果にはならなかっただけましかもしれない。)
こりゃあ、なめてかかってちゃ僕の命が危ないなぁ
(そう独り言を呟くムウの双眼はいつものような糸目ではなく完全に開いている。肩の具合は見てないが骨折はしてないだろう、という程度。怪我もしているというのに口の弧は大きくなるばかりだ。いつもなら一発で仕留めるが、今回はそうもいかなそうだ。組み立てていこう。そう思えば、今まで両手で丁寧に持っていたスナイパーライフルを片手で、まるでハンドガンでも撃つかのように構え、左目での標準を一瞬で合わせれば二発の弾を撃つ。一発は脚、一発は腕に目掛けて。こんな撃ち方でも標準があってしまうのだ、遠距離であれば。あの戦車のスピードがどのくらいなのかは知らないが、距離は少しずつでも離しておかなくてはならない。フル装備なら煙玉とかも持ってきたんだけどなと頭の片隅で思いながら、相手の方を向きつつ、銃弾をライフルに込めながら、攻撃が来る前に相手から遠ざかる為、隣のビルに飛び移ろうとして)
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