何度だって巡り逢う。／ 〆　

秋那/

　うん。できるなら、今すぐに全部奪い去りたいくらい。(　真っ直ぐに見据える視線も冗談っ気のない口調もそのまま、素直な気持ちを口にして : 握られた指先をちらりと見れば “じゃあ何？” と薄く口許に笑み浮かべる
　…そんなことで離れて行くと本気で思ってるなら、まだまだだね、俺の飼い主さんは。(　意地悪な声から一転、優しい声色になると、独り言のような口調ながらも君に聞こえるように
　──逃がさないでほしい。(　少し身体離すと真正面から向かい合い、隠し切れない愛おしさを滲ませた表情で


夕依/

　…っ、あんまり長くは、待たせないでくださいね… (　触れた指先に口噤み、ぼそぼそとそれだけ言うのが精一杯で : 直視できずに思わず目逸らし “追い掛けるどころか追い越してます” と
　?そ、そ、そんなことはないです。今のはぜんぶ嘘です！(　ようやく失言に気が付くと、何とか誤魔化そうと目を泳がせながらバレバレの嘘
　格好良すぎるので、夕依の前だけにしてください。(　ドキドキと鳴り止まない心臓に、きゅと控えめに貴方の服掴むとぽつり