何度だって巡り逢う。／ 〆　

咲茉/

　ふふ、そんなに欲しかったですか？（　慣れない空気感に居た堪れなくなりその場の空気壊すように揶揄ってみて、慌てた様子で " そんなんじゃないっ " と否定すれば咄嗟にぎゅと君の指先握って。
　あきくんはきっとわたしの嫌がることはしないもん。……でも、手綱を放したことで離れていくのは嫌（　耳元に吐息がかかる度にびくと肩竦め、若干声震わせながらぎゅうと君の服握り締める。
　──逃げたいですか、（　自分の想いに気付いた君が気を利かせ無理して一緒に居てくれてるのではないかと不安感じ。


凛月/

　もうそれ以上はだめ、今度ちゃんと言わせて（　言葉遮るように君の口元に食指当て " これで少しは意識するようになった？ " と悪戯な笑み浮かべ、ゆっくりと繋いだ掌持ち上げれば手の甲へ軽く口付け " 俺はずっと追いかけてるよ " と答え。
　……好きな人？恋愛初期？（　自分で次々と墓穴を掘っていることに気付いてない様子の君に " 夕依って嘘つけないタイプ？ " と笑いが込み上げ。
　夕依の前だけでも格好つけられてんならよかった、（　安心したように小さく笑み溢せば気付かれないようにそっと額に口付け。