匿名さん 2020-11-18 13:04:59 |
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>Royes
そう ,なら良いわ 。
( 先程迄は硬かった貴方の表情がまるで氷が溶けていく様に柔く崩れていく 。 初めて見た貴方の笑顔に ,涙に何故か一瞬心臓はどくりと音を立て思わず目を見開いてしまう 。 それから身に起きた初めての何とも形容し難い感覚に小首を傾げながらそっと自身の胸に手を当てその音の正体を探ろうとする中でも貴方は夢中で料理に手を伸ばしていた 。 貴方が述べた " 美味しい " の言葉に思わず頬が緩んでしまうが其れを隠すかの様に口元に手を持っていけば暫く視線を落とした後に馬車に乗っていた時の緩急のない声色で上記を述べた 。
持っているグラスを揺らせばゆら 〃 と揺らめく血の水面を眺めまた一口喉に流し込む 。 そうしながらも食事を食らう貴方を見遣りその食いっぷりに相当お腹が減っていたのだろうと考えていた 。 食事が終わったら次は入浴でもしてもらおうか ,冷えた身体を温めるのには丁度いいしその薄汚れた髪の毛の本当の色も気に成る所だ 。
〝 私はいい 。 血以外を食べたって何の味も感じないのだもの 。 〟
御礼と先程たった一言 ,美味しいとだけ述べた貴方の声が自身を呼んだ 。 その声に貴方の方へ視線を向ければ言葉を放とうと小さく開けた口をきゅっと噤みまた再度息を吸えば淡々と水面をみつめ ,グラスを煽りながら答える 。 口を一度噤んだのは貴方が自身を呼んだ事に驚いたからであろう 。 怖がられている ,警戒されていると思っていたから 。 まぁそれも強ち間違いではないのだろうが 。 小さく息を吐いた後グラスを置けば何気なく蝋燭の灯りに目を遣りつつ ,自身の横髪を指に巻き付け くる 〃 と弄ぶ 。 グラスに入った血は後一口二口で無くなるだろうが貴方ほどではないにしろ少しお腹が減っていた為か何時もよりも食事のスピードも速かったように思える 。 また再度グラスの縁に口を付けてこくりと血を嗜めばお腹が満たされてきた様に感じて一口と最期の食事を喉に通すとグラスをテーブルに置いてふぅ ,と一息 。 )
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