闇夜に白狼、吼える。(異能/シリアス/本格戦闘/ファンタジー)

>>シオン様

「にゃあ？こんな歌で良けりゃあ別にええよ。」
(楽しそうな声と足音に気付いてふとそちらにひょいと顔を向けた彼はおっとりとした笑顔のまま呑気にそう返し、銃弾を避ける仕草すら見せようとしないまま貴女の放った銃弾をマトモに顔に受けて皮膚が溶ける…かと思いきや、銃弾は彼の顔すれすれで何かに衝突して彼の足元へと落ち。「厳格なる女王陛下、ちょーっと来んのが遅すぎるんと違うかい？俺あやうく死ぬかと思ったにゃあ。」彼の足元で銃弾と共に落ちている何か…それは何の変哲もないトランプのカードである「??のクイーン」だったが、普通のカードと違って印刷されている??の女王が着ている美しいドレスが溶け、凄まじい怒りの形相をしている上『何をさせるんだい、この野良猫！私の折角仕立てさせた美しきドレスが台無しじゃないか！ハートの女王の法律第638条『ハートの女王のドレスに掠り傷たりとも付けるべからず』の重大な違反だよ！』怒り散らした甲高い怒号がカードの中の女王から聞こえてきて。「そーんなん分かっとるって、女王陛下。帰ったらちゃーんと新しいドレスに変えてやるから今は我慢してくれにゃあ？」彼が怒り狂う彼女を軽くあしらい、何かを招くように指を動かすと残り52枚の、見ただけでは何の変哲もないトランプカードが彼の周りに集まってきて)