奴良鯉伴/首無 2020-10-31 16:04:28 |
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(──ぬらり、くらり。生きる意味も、死ぬ意味も分からぬまま、ただ過ぎていく時の流れに身をまかせてそこに居る──何時からそうなったのか、どうしてそうなったのか、それは分かっている。しかし分かっていてもどうしようもない事だった。組の皆もそれは分かっている。過去には、叱責するものも居た、慰めようと奔走してくれるものも居た。だがそのどれもが彼の心に空いた穴を埋めることは出来ず、今は誰もが時間の流れだけを頼りに、時間の流れだけが彼を癒やすものと信じ、祈る日々を送るしか無かった)
分かっちゃ、居るんだがなぁ……
(どこともしれぬ場所で一人呟く。自身の背負うものの重さ、それに対し今の自分は弱い。それを背負いきれない。今はギリギリのところで均衡が保たれているが、それもいつ崩壊するか……いっそ、この命を断ってしまえば良いのではないか、そう思いさえする。が、それも出来ないままぬらり、くらり、今日もどこかを彷徨っていて)
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