入口 2020-10-27 17:35:55 |
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───目覚めた末に彼らが見たのは見知らぬ"市街地の地域"だった。
彼らの知る"村"といったコミューンや場所といった地域とはまるで違う廃墟の建造物らに、
彼ら…基、若い兄弟の狩人二人と一匹の小型な猫の獣人は、かなり警戒の目線で周囲を見渡し歩いていく。
兄弟と小猫の狩人達は今まで大抵の大型の怪物<モンスター>を狩る事に関しては経験済みだった。現にこの"世界"に漂流されるまで、土地の民から"火を吹く蒼い翼竜"の様な存在の討伐依頼を難なく引き受けたのが事の始まりである故、当然こんな事態になるまで驚く事は無かった筈。
が、当の翼竜こと"蒼火竜"を追って戦闘になってから奇妙な嵐に巻き込まれてから、現にこの状況である。
──「………弟、ネコ、この大陸の地形は…」
と、彼ら特有の刺客の様な黒装束の様な装備を纏う狩人達の内、近接格闘戦用装備を有する兄と思われる三者の内に一人が弟と小猫に呼びかければ、最初に告げたのは意外にも小猫の方だった。
「こんな建物見た事がニャい…、"噂に聞いた俺の心当たりが正しい"ならニャ…。」
「何?…」
「"異世界"でしょうか?」
黒装束の小猫の話に対して尋ねるのは黒装束の弟。装備はアウトレンジ型である。
「如何いう事だ?」
兄は疑う。そういった話は知らない訳では無かった。事実彼らに伝わる伝承にもそういった話はある。だが体験している事態としてもだいぶ違う故である。
しかしその可能性の否定を小猫はしておらず、弟も同様だった…。
「兄さん、何の関係性も無い話ですが…"逆"の例もあり得るのでは?」
「…。」
デマに対して信用をしておらず、そういった不確定な情報を頼りにするわけにもいかなかった為、一行の主な主導を握る兄は迷っていたが、そうこうしている内に嗅覚を頼りに先行していた小猫は兄弟二人に呼びかける。
「兄さん!"見つけた"ニャ!」
告げる小猫の居る地点まで走り出す兄弟。
二人がその地点に着いた後に最初に双眼鏡を取り出したのは兄、更に兄からのハンドサインに対して慣れるように遠距離からの連携位置に走り始めたのは弟、また切り込み役と偵察役に向かうのは小猫だった。
兄は防具であるナルガ装備による隠密スキルにより、距離を離した位置から相手であるサイフォラスとクリトルを気取られぬ様に確認する。
相手は多数だが、自身のチームの小猫よりもだいぶ小さい連中がやたら多い。装備も一体何のモンスターを素材にしたか強化したかも見慣れない類の機械、というかそもそも自身らが知る限りの武器種に存在しないような類の形状も存在する事も察し、彼らは警戒していたが…。
>28
ありがとう御座います。
改めて宜しくお願いします。
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