名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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勝手に居なくなられちゃ困る、私の巣は此処にしかないんだ。しかし、く、ふふ……私が小鳥ってさ!似合わないだろう。強いて動物に例えるなら、蛇とか、狐とか、その辺りじゃないか?自分で言うのも可笑しな話だが。いや、うん…反射的に狡いと言ってしまったが、やっぱり君は狡くない。私がその笑顔に弱いだけだ。
( 生憎、籠に囚われる小鳥のような従順さは持ち合わせていない。風雨震雷に晒されようと枷を嵌められようと、夢に見た青白い電光に向かって羽搏くことだけは止めたくない。故に求めるのは外敵から身を護る為の堅牢な鳥籠ではなく、何時なんどきでも其処に在り、確かに迎えてくれる栖だ。そう考えつつも、可愛らしい小鳥と自身のイメージがまるで合致しない事実にくつりと喉を鳴らし。腕に抱かれて眸を閉じると、そのまま冬眠にでも入ってしまいそうな安堵に包まれる。半ば言い訳染みた反省の言葉を口にしながら、布越しに伝う鼓動を聴き )
ああ、そういやもうすぐクリスマスか。私の方でも何か用意しておこう。そうだな、どうせなら君と同じ防寒具が欲しい。それか、色違いのものを。何を選ぶかはアンドルーのセンスに一任する。──君、言うようになったな。しじんの、………。
( 宗教意識の濃淡に関わらず、多くの人々が知る所の行事である降誕祭。来る者は拒まず去る者は決して逃さないこの荘園で日々を送っていると、どうも日付の感覚が鈍りがちであることは否めず。敬虔な信徒と恵まれた子供達にとっての善き日について耳にするや、真っ先に思い描いたのが外界における経済の潤いである辺り全く以て夢が無い。黙考すること数秒、それらしい要望を口にした所で贈り物への期待を馳せる自分に気が付いた。年中行事から何かと距離を置いてきたが、恋人を持つ身となれば話は変わってくる。向後は研究に支障が出ない程度に浮かれてやろう。否、浮かれているのではなく、熱に浮かされているのかも知れない。肉体の接触による脳内物質云々、などと理屈を捏ねる人格を押し退けて瞼を伏せ。"詩人の才能があるんじゃないか"、という軽口は重なる吐息に溶けて消えた。そっと触れ合わせるだけのそれが物足りなくて、後頭を軽く押さえつける。啄むように唇を動かせば、薄く片目を開いて反応を窺い )
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