名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
通報 |
( ただ外気が冷たいという理由から閉め切った自室にて開いた本は、紙の劣化による黄ばみが目立つもののインクは読める程度に残っていた。単語を紙に書き写しては辞書を頼り、記載されている意味に目を通し、それを書き写した単語の下に記しておくつもりだったのだが。ほんの数日前ならば捗っていた筈の自己学習、然し夕方の試合へ出掛けていった囚人服の恋人の安否が度々案じられるあまりに気も漫ろに。吐息と共にお役目を絶たれた羽根ペンを卓上に置けば窓の外を何度も確かめた、この部屋から姿が見えるわけがないのにも関わらず。部屋で待機していられる落ち着きは失われ、外套を纏い廊下へ出て、帰還を──彼に限った話だとは断じて言わないものの一番に待ち侘びるのは当然一人のみだが──兎に角真っ先に知りたいが為に廊下の先へ目を凝らし。と、ストレッチャーを走らせる嫌な音が何処からか耳へ届き、まさか彼が負傷したのではと慌てて駆け出そうと身構え。だが窓辺で黄昏れる人物のシルエットが霞んだ視界の中に飛び込み、それが何者であるか判別出来た途端に駆け寄り )
───ルカ!無事だったか、思っていたより早かったな。あんたがどうなったのかが気になって、勉強が進まなかった。
( / 外出しておりましたため、お返事が遅くなり申し訳ございません!場面展開のご対応を頂きありがとうございます、囚人君の寂しげな独り言は聞こえなかった体でお出迎えさせて頂きましたがよろしかったでしょうか?現時点では特に要望と質問いずれもございませんので、此方の流れで引き続きよろしくお願い申し上げます! )
トピック検索 |