──しとしと。
静かに雨が降る中、段ボールの隙間から貴方を見ている、なにか。
その視線に近付いた貴方は、そっと段ボールの中を覗き込む。
「にゃあ」
そこには、真っ黒な毛をした仔猫が。
その身体は所々汚れていたり、雨に濡れていたり。
貴方はその猫を抱き上げると、駆け足で自宅へと向かう。
玄関にて。抱いていた仔猫を床へ降ろし、濡れた身体を拭くためにタオルを取ってくる、と言ってその場から離れた貴方。
玄関へ戻ってきたとき、そこにいたのは仔猫なんかではなく──
「拾ってくれてありがと、」
猫耳、尻尾の生えている少年であった。
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