宵闇の男 2020-09-10 22:11:01 |
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(再び爪を剥がされてしまうのだろうかと内心怯えながら様子を伺っていたが、その様子は見られなく。彼の顔が横髪へと移動したのが解れば、爪のある利き手の方で髪へ優しく触れる。紡がれた言葉にも驚くが、一瞬だけその優しい声色にグリーンアイは大きく見開かれるも直ぐに彼の横顔を眺め。無意識なのか優しい声について考える。室内の玩具達然り、彼の精神は矢張りまだ十代で止まっているのだろう。自分の思い通りにならないと怒ったり癇癪を起こす姿は正にそのようだ。愛おしく想う女というよりかは、母親の様に慈悲深い感覚で彼の頬へと優しく一度接吻を。その直後、耳朶への甘い痺れに対し再び女の顔を見せ、首筋や鎖骨へ唇這わされる度に熱を孕んだ甘い声が思わず声となり発せられる。骨格の違いや逞しい上半身、その重みから異性なのだと改めて実感させられる。シャツ越しからでも伝わるその逞しい肉体が離れてしまうと無意識に名残惜しい表情となるも、見下ろしてくる彼の表情や口調は何故だか目覚めた時よりも冷淡で温度を感じなく。その様子に寂しさが込上がり、爪が剥がれて痛む左手を庇いつつゆっくり上体起こして立ち上がる。左手を庇いつつの入浴は困難で時間がかかるだろうと思案し、立ち塞ぐ様に立つと左手を上にして背中へ腕を回しそのまま優しく抱き締め体温を感じ。一人で入浴できなくはないが、ひとりは心細いのか甘える様な口調にて言葉を発し。)
…Alainに背中を洗ってもらいたい。まだ左手が痛んで背中を洗うのは難しそうなのと、その方が監視もしやすいでしょう? さっきも言った通りずっと二人きりがいい……私はアナタの味方だから。
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