宵闇の男 2020-09-10 22:11:01 |
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アナタからすれば名前なんて、と思うかもしれないけど…私は違う。名前は大切だから同情から言った訳ではないわ。家族やきょうだい、愛しい人には大切な名前でたくさん呼びたいし。
(何をされても可笑しくない状況下にて慎重に言葉を選んだ筈だが、彼には通用しない事を知った。身を守る防衛本能から対抗していたが刺のある視線に怪訝な面持ちのまま深まる眉間の皺。彼女の発言全て、彼には嫌悪だったらしい。会話をしてひとつ解った事がある。彼は自分の事を知られるのが怖くて嫌なのか____知ろうとすると直ぐに表情となって現れるのでそれを見過ごさなかった。そして嫌悪を抱くと感情を行動にて表す。それは彼女の頬の皮膚を爪で引っ掻かくという行動、軽くだがミミズ腫れになり赤い縦線から少量の血液が涙のように垂れた。痛みに僅か表情歪ませるも直ぐに彼は次の行動へと移る。薬の影響で身体は思う様に動かせず、抵抗する暇も与えずに首を鷲掴まれベッドへと強引に押し倒される。“人当たりの良い隣人”が演技でもずっと信頼していたので、ナイフを見せられ上腕へ突き立てられようが何故だか恐怖以上に彼をどうにかできないかなんて考えてしまう。彼の言う大人の遊びは解らないが、もしかしたら気分次第でこのまま殺められてしまう可能性が高まる。それは揺れる前髪から覗ける金色の瞳が強く物語っており、今迄刺激させぬ様慎重になっていたがそれもいつかは通用しなくなるだろう。それならと、重なり合う金色の瞳へナイフに力が入ると次はどうなってしまうのか焦り、顔面に少々恐怖の色が見えるが気を確かにと鼓舞して奮い立たせ、何故か表情は子どものようにあどけなく嬉々としており。)
大人の遊びにはナイフが必要なのね、わかったわ。……ねえ、ひとつだけ教えて。アナタは私を殺めたい? もしそうだったらどんな方法で殺めるのか知りたいわ。
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