誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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( 転倒した天都に注意を払うこともなく巨大な体躯の男、餓狼は堺の部屋にまで向かった。
一方、悲倉は道端に布団塗れになって倒れ込むソイツに視線を下ろす。すると俄然、悲倉の目の瞳孔が大きく開いた )
「 天都上矢、僕の肋骨を折ったクソ野郎か。何しにきたんだ? 」
( ーー堺の部屋ではーー
悪食は、堺を押し倒すようにして彼女の首を絞めた。堺の顔がどんどん歪んでいく。ぎしぎしと首元の限界を表す音が大きくなってくる。もうじき堺は死ぬ。悪食がそう確信した時、扉は開かれた )
「 なんだ? 」
( 部屋が暗くなる。否、それは堺と悪食、2人を覆うほどの影だった、悪食が後ろを確認するより前に、その影の主、巨漢の重々しい蹴りが悪食の肩部めがけて打ち放たれた )
「 まずは一本目だ 」
( 悪食の堺の首を締めていた片腕が消えていた。思考が回らない中、よく確認してみると廊下先のリビングにその肉片もろともぶっ飛ばされている。悪食は上半身を上げ、改めて後ろを振り向くと、巨漢の男はすでに大太鼓並みの大きさの拳を握りしめてパンチの準備していたようだった )
「 二本目いくぜぇぇ…ッ!! 」
( 瞬間、巨漢の拳が、ゾンビ男の上半身へと骨や肉なりふり構わずそこへメキメキとめり込んでいき、そして悪食もろとも風を切るような勢いで堺の視界から消え失せた。否、さきほどの片腕と同様、悪食の体は凄まじい力の加えられたままにリビングの壁へ直進。ズドンッ、揺れ、風圧、煙が生じる。その影響でちょっとした家具は倒れた。
ーー悪食の身体はキリストのような態勢で壁にめり込み、そしてずたずたに原型をとどめていないもう片方の腕が、ぼとりと落ちた。ほんのわずかな、一瞬の出来事であった。
そして、当の破壊的なパンチを繰り出した巨漢、餓狼は、堺の方に視線をやった )
「 よう、堺さんよ、オマエは俺と一緒に来るんだ。拒否権はねぇ、いいな?」
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