奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>斑鳩刹那さん、ユーリさん
「……そうだね。刹那さんにボクを知ってもらう良い機会だから話すよ。ボクの両親はとても良い感じの夫婦だったよ。いつも仕事が忙しくあまりボクや姉さんには構ってくれなかったけど、たまにある家族団欒では本当に優しくしてくれた。両親も本当に幸せそうに仲睦まじくしてたよ。姉さんはそんな両親の優しさを強く受け継がれててね。特に妹のボクには甘々だったよ。何でも卒なくこなしてとっても優しい人だったなぁ。でもある時から姉さんはあまり家に居なくなったんだ。何でも両親の仕事先の事情で魔法適格性のある戦士が一人でも多く必要とかでね。姉さんはボクより魔法への適格性が強くて仕事先の人に駆り出されたみたい。勿論両親は最後まで反対していたけど、仕事先の上の方からの命令とかで逆らえなかったみたい。事ある毎に姉さんとボクに父さんも母さんも謝ってたくれたよ。………けど、それが家族一緒に居られる最後の時だった。ある日、姉さんが出掛ける時にいつもの様に送り出そうとしたら……姉さんは何かを悟った様な笑顔で一言だけ残して出ていったんだ。不安だったよ。もう二度と姉さんに会えなくなる。そんな嫌な胸騒ぎがして少し迷ったけどボクは直ぐに姉さんの後を追いかけて気付かれない様に後をつけたよ。………そこから先はもう分かるかな?姉さんは最凶の禁忌と呼ばれる鎌と対決して負けた。そしてボクは満身創痍の姉さんに駆け寄ったんだ。けどその瞬間、闘いの余波の攻撃がボクを襲った。致命傷一歩手前の大怪我でボクも正直な話、死を間近に感じたよ。そしてお構い無しに迫る余波の攻撃に今度こそ死を悟ったんだ。でも、姉さんがボクを庇ってくれたんだ。………これが、ボクと最凶の禁忌の出会いだよ。ゴメンね。話が長くなって。」
どこか切ない表情を浮かべながらユウキは自分自身の過去をポツリと話した。
それは壮絶な過去であり、ユウキが憎しみを抱いても決して可笑しくは無い内容であった。
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